藤田九衛門商店

藤田九衛門商店

信州鯉焼き / 長野県長野市

信州で鯉(コイ)に魅せられて

懐石の料理人から、
“鯉焼き”をつくる菓子職人へ

今ではすっかり善光寺門前の名物となった、鯛(タイ)焼きならぬ「鯉(コイ)焼き」。縁起のよい鯉を美しく型どり、長野県特産の「花豆」を使った餡は上品な味わいで、時間が経っても風味が変わらないため、お土産としても人気です。

藤田九衛門商店(ふじたくえもんしょうてん)の店主・藤田治さんは、もともと京都や東京、さらに海外で懐石の料理人として腕を奮ってきた経歴を持ちます。

大阪出身の藤田さんが、長野県に店を構えるきっかけとなったのは、軽井沢で懐石のケータリングを提供していたときのこと。軽井沢町からほど近い佐久市に鯛焼きの名店があり、藤田さんはよく足を運んでいたそう。ある日ふと、なぜ「鯛(タイ)」なんだろう、と気になったことから、藤田さんの探究が始まります。

「海のない長野県で、魚といえば鯉(コイ)。なぜ、鯉ではないのか。そればかりを考えるようになってきたんです」

その後、周囲に「鯉焼き」のアイデアを話してもなかなか理解が得られず、それならば、と自ら作りはじめたことが、「藤田九衛門商店」のはじまりです。

細部にこだわりをもつ懐石料理人らしく、「鯉焼き」の開発はまず、専用の型づくりからスタートしました。

鯉の鱗や躍動感のある動きまでを突き詰め、基本の木型を実現したのは、富山県の仏像彫刻師。その木型をベースに、お菓子を焼くための金型を実現したのは、石川県の鋳型製作所。藤田さんと二人の職人は何度も話し合いを重ね、目指す型が完成したのは開始から1年後のことでした。小ぶりで繊細な鱗を持つ、世界で唯一の「鯉焼き」の型の誕生です。

使用する素材にも、藤田さんならではのこだわりがあります。皮の小麦粉は、長野県産「しゅんよう」を100%使用。また、餡に使用する「花豆」は、長野県内でも標高の高い、限られた土地で栽培された品質の良いものを厳選して使用しています。4日間かけて花豆を煮込むことで、信州・藤田九衛門商店ならではの自家製餡が完成。安心・安全な地域食材を使用した手づくりのお菓子で、地域に根ざした菓子店でありつづけたい、という藤田さんの思いが込められています。

また、一般的な鯛焼きは焼き立てをいただくイメージがありますが、時間が経つほどに味がなじみ、しっとり美味しくなるのが藤田九衛門商店の「鯉焼き」の特徴です。食べやすいサイズ感で、「善光寺参りのお土産」の定番に仲間入りした理由がここにあります。

鯉焼きのほかに、“特A”の大きな花豆が一際目をひく「はなまめしるこ」、ウィーン発祥の“スミレの砂糖漬け”から着想を得たという「月艸の雫(つきくさのしずく)」など、藤田九衛門商店ならではの感性が光るお菓子も人気です。

“鯉への愛”が詰まった
オリジナルのアイテムたち

藤田九衛門商店のもうひとつの楽しみは、「鯉」をモチーフにしたオリジナルの創作品です。

お店の屋根に飾られた鯉のオブジェにはじまり、信州中野の伝統的な土人形作家による「鯉えびす人形」、鯉焼きの型をかたどった鯉のキーホルダー、大胆な鯉の絵柄の手ぬぐいなど、藤田さんと地元の作家によるコラボレーションのアイテムが店内の各所に陳列されています。

鯉は、「鯉のぼり」に象徴される縁起のよい魚として知られていますが、長野県では古くからハレの日の舞台に鯉料理が食され、「川魚の王様」として親しまれてきました。鯉と縁の深い長野県で、鯉の魅力に「ハマった」藤田さんのユニークな視点を、オリジナルアイテムの数々からも感じられます。

善光寺を眺めながら銘茶の飲み比べも

懐石料理の経験から、茶道にも造詣が深い藤田さん。店内では、信州の銘茶をはじめ、京都や全国各地のお抹茶の飲み比べが可能です。1階では予約なしでお抹茶と鯉焼きが楽しめるほか、2階では予約制のみの、お抹茶と季節の「菓子御膳」が人気です。広々とした窓からは、善光寺と境内の緑をのぞみ、門前ならではのゆったりとした時間を満喫できます。

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藤田九衛門商店
藤田九衛門商店

山国信州でハレの日に食されていた「鯉」をモチーフに、オリジナルの金型で「鯉焼」(こいやき)を創作。懐石の料理人としての経歴をもつ店主が、長野県特産の「花豆」をはじめ、安心・安全な食材を使ったお菓子を善光寺門前で提供している。

藤田九衛門商店
住所:長野県長野市東之門町400-2
TEL:026-219-2293
https://www.fujitakuemon.com/

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